月別アーカイブ: 2013年7月

フミヤさんにとってのアートとは?(第1回)

アートとは?なんでしょうか?

田辺まず、大きな話ですけど、フミヤにとってアートとはなんですか?

フミヤう~ん、創造性を湧かすよね、何だろうね。。。

田辺インスピレーション?

フミヤうん、なんか、例えば何だろうな。 結局こう、創造だから。 昔は写真の代わりでもあったね。

田辺肖像画とか?

フミヤそう、教会の絵とか肖像画とか。 たぶん、現代アートが生まれてからアートの世界は無限になったんじゃない。 だからなんだろう、インスタレーションアートとか見ると、 とても持って帰れるものじゃないじゃん、あれは。笑

田辺規模が大きいとか?

フミヤそう、巨大なのもあるし、なんていうの?やってること自体みたいなこともあるし。。。

田辺では、アートとはインスピレーションの源?

フミヤそうだね、あと、それが科学によって発展したりとか、そういうのもあるじゃない。 例えば、意外と今のコンピューターだって、 何らかの形でアートが関わってああいうデザインになった訳だしさ。

田辺コンピューターでもよく作品作るけど、手でも描くよね。

フミヤうん、手でも描くね。

田辺ツールだよね、コンピューターもフミヤにとっては。

フミヤうん、ツールだよね。 でも、最初の頃はなかなか面白かったんだけど、 まあ、当時はまだ誰もやってなかったから。

田辺今から、、20年くらい前?

フミヤもう今となっては、ピクサーとか見るとCGというにはおこがましいにも程があるというか。 だから、当時はウォーホールにとってのシルクスクリーンの代わりに使っていたような感じかな。 でも、今は多いだろうね、コンピューターで描く人って。 デザインよりだよね、コンピューターを使うと。

田辺誰でも出来ちゃう?

フミヤそう、だからやっぱり、これからのアーティストは手描きの技術じゃない?

田辺原点に戻るっていう。

フミヤそうだね。

アートをコレクションした?!と思ったのは?

田辺一番最初に、フミヤの中で「あ、俺アートを蒐集した」って思った作品は何?

フミヤそれは、今日紹介するウォーホールかな。 高いの買っちゃったみたいな。 でも、高いっていったってドローイングとかじゃない訳だから。

Andy Warhol「TRUE LOVE」

田辺それは、日本で買ったの?

フミヤ日本で。なんか、向こうから知り合いのつてで「買いませんか?」みたいな。

田辺あー、タイトルがタイトルだけに。

フミヤそう!タイトルがタイトルだけに!TRUE LOVEって書いてあるから。笑 これフミヤさん買うんじゃないかなと思ったんだと思う。

田辺それは断れないよね。

フミヤということで、でも、その時は別に盛り上がらなかったんだ、 自分としては、「あーそーですか」みたいな。 でも、じゃあなんとなく見に行こうかって話になった。休みの日に。 値段が値段だったからさ、今だったらいくらするのか分からないけど。 「これ買うしかないんじゃないの?」ってまわりに言われて 「そうだな」って言って買ったんだよね。

田辺その本には載っているの?

フミヤいや、載ってはいないんだけど間違いなくこのシリーズの中の一つだね。 このキャンディーボックスってやつ。

田辺なるほど、じゃあ83年だからウォーホールが作家として一番乗っていた頃の作品だね。 珍しいよね。

フミヤ珍しいと思う。 この本には全作品載ってるとかいうけど載ってないんだよね。

田辺いや、そんなことはないよ。全作品なんて。

フミヤそうだよね、全作品なんて、そんなことは絶対にないよね。

田辺いっぱいシリーズを作っているはずだし。

フミヤしかも紙じゃなくてキャンバスだったから。 あんまりないなと思って。

田辺何年前に買ったの?

フミヤいつだったかな?

田辺新居になってから?

フミヤいや、もっと前だね。 たぶんもう20年近いね。

田辺その後、ピカソとかも持ってるし、名もない作家のも持ってるじゃない。 フミヤのアートコレクションのポリシーって?

フミヤポリシーはまずね、大きいのは買わない。笑

田辺家具で懲りた?

フミヤそう!家具で懲りた。 アートも最初は大きめの買ったんだよ、やっぱり迫力あるから。 でも、飾るところないし、たまるし。 なるべくなら日本家屋にあったものを買うからそんなに大きいのは買わない。

今気になる!作家や作品は?

田辺今でも買おうって気でどこかに見に行ったりするの?

フミヤうん、するね。ギャラリーとか。 でも、本当は好きな作家を調べてそれを追いかけて買った方が良いんだろうけど。

田辺今気になってる作家とか、買いたいと思う作家っている?

フミヤ買いたいのは、誰のが欲しいかな。 でも買うとしたら平面作品かな、立体はないね。 しかも、やっぱり版画とかしか買えないね。

田辺海外作家のエディション作品とか。

フミヤそう。たまにまだ若い作家のペインティングとかあったりして、 でも200万とかするからちょっと勇気がないと買えない。 版画とかだったら100万前後くらいだったらまだ買えるって感じに思うけど。

田辺じゃあ金額とも相談しつつみたいな。

フミヤそう、別にその、資産にしようとか思ってないから。 たぶん売っても二束三文だと思うんだよ、絵とかって、売る時は。

田辺つまり投資じゃなくて好きなものを買うって感じ。

フミヤそうそう。それに値段の上がり幅で行くと新人のものくらいじゃない、凄い上がるの。 昔の、この時代のウォーホールとかはもう値段が決まっててほぼ変動はないじゃん。 だから、バンクシーみたいに急に出て来て知名度上がって既にもう数千万円みたいなのはなかなかない。

田辺結構無名の人でも気に入ったら買ったりする?

フミヤ無名も買ったりする。 まあ、好きなものを集めてるって感じかな。

「フミヤさんにとってのアートとは?」(第2回)はこちら!

BOB ROSS’ NEW JOY OF PAINTING

 

bob-ross01ボブロスページ

BOB ROSSというアーティストを知っている人はいるだろうか?アフロヘアのおじさん。アメリカの典型的かつ、量産型的な油絵技法の伝道師。80年代にアメリカに住んでいた頃に彼の絵画教室のテレビ番組をたまに見かけてはその独特な存在感と絵の世界に不思議に魅了された。本人はヒッピーカルチャーの方なのか、いつもハッピーでゆったりとした語り口。絵を描き進めながら森の絵を描いている時には「小鳥のさえずりやリス達のじゃれる姿を想像してごらん」みたいなコメントを差し挟む。絵の世界はハッピーな世界という一環した姿勢が感じられた。描く油彩は風景や海の絵などだが、パレットナイフを巧みに使って描く技法はある意味完成されていて迷いがない。アメリカのスーパーマーケットや安いモーテルで見かけるような誰が描いたか分からないようなお決まりの絵を見事に描くのだ。ご本人はお亡くなりになったと聞いたが、ある意味、独自の絵の境地を開拓した彼の功績を個人的には凄く認めたいアーティストなのである。そんな彼の絵の技法の解説本を見つけた時には真っ先に買い求めた。その絵のスタイルは誰でも描ける絵なはずなのにきっと彼にしか描けない世界のような気がする。

I HATE EVERYTHING

LY4 LY3 LY2 LY1

原宿のGALLERY TARGETにて開催されたアーティストLYさんによる展覧会、「I HATE EVERYTHING」を見て最初に思ったのは、これは外人アーティストの作品?という疑問だった。NYのストリートから発生したグラフィティーアートの近年の流れの中で登場したバリーマッギーなどのアーティスト達と、どこかで繋がっている感性を感じたのだった。でも、ギャラリーの方に聞いてみると、作家は日本人でしかも女性だと聞いて正直驚いた。それに、ニューヨークに住んでいるとかでもなく日本で暮らしながら制作をしているという。なんか、日本の若者もこういうストリート的なエステティックを我がものにして作品を制作するようになったのだと感心するとともにモノマネではない作品のオリジナリティー溢れる世界を素直に楽しめた。なんでも、後で作家本人から聞いたところによると、これらの作品は彼女が絵にスランプを感じていた時に大好きなスケボーで怪我をしてそれすら出来なくなり最悪に落ち込んだ時に生まれたんだと言う。展覧会のタイトル「I HHATE EVERYTHING」「全て嫌になった」はその時の彼女の気分だったんだとか。これは、日本人なのに海外のグラフィックカルチャーアートの質感を自然に持ち合わせたユニークな作家の出現だと思う。今後の活動にも注目したい作家だ。

ARTRANDOMとは

アートが好きで自分でも作品を作ったりもするが、アートをコレクションしたり、アート関連の本を買うのも大好きである。出来れば世界中のアートフェアに行きたいが、なかなか叶わないので年末のマイアミ以外は東京のアートシーンを追いかけている。そんなアート好きの気ままな毎日の断片や、アートに関して言いたいことをアトランダムにお話しするというのがこのブログの趣向です。知人とのアートを介した対談、お気に入りのアート本のご紹介、東京のギャラリーでの展覧会リポートなど、気の向くままにお届けします!

岡本太郎版画展

岡本太郎8 岡本太郎6 岡本太郎1 岡本太郎7

東京の様々なアートを見に行き、その感想をリポートするこのコラム、まず紹介するのは渋谷ヒカリエ8階にある小山登美夫ギャラリーで開催された岡本太郎の版画展。

岡本太郎というと、日本の画壇には属さず、独自のスタイルとスタンスを貫いた孤高の芸術家って印象が強い。

または、テレビコマーシャルなんかにも出たりした世間的にも有名な芸術家かな。

彼の作品は絵画から彫刻、パブリックアート、プロダクトデザイン、文筆業、写真まで実に幅広い。

渋谷の駅構内にある巨大な作品「明日の神話」は見たことある人も多いはずだ。

今年が生誕100年ということで色々と注目の作家でもあるが、今の若者は岡本太郎を知っているのだろうか?

フランスで絵の勉強をしていた頃にはシュールレアリスム運動の騎手アンドレ・ブルトンにその才能を認められた凄い芸術家だ。

しかし、日本人が知っている彼はむしろ「芸術は爆発だ!」や「座れない椅子があったって良いじゃないか」といった今なら流行語大賞になりそうな名言を残したちょっと変わったおじさまという感じでだろうか。(大阪万博の太陽の塔も有名ですね。)

ところで、彼の作品には「眼」がよく出て来るのだが「眼は存在が宇宙と合体する穴」なのだそうです。

そして、優れた芸術の未来はシネマやラジオ、テレビジョンにあるといち早く見抜いた芸術家でもあった。

芸術は大衆のものだという彼の思想を表すエディション作品(量産品)をその時代を感じさせるアンティークな家具とともに展示したこの展覧会、岡本太郎ワールドの一旦を肌で感じられる面白い趣向の空間だった。

Irving Penn 「FLOWERS」

penn_flowers

NYに住んでいた頃からART関連の本や展覧会のカタログなどが好きで買っているうちにいつのまにか色々な本が集まってしまった。ここではそんな思い出の本とそれにまつわる思い出話をご紹介します。

 

まず最初に紹介するのは、僕が記憶している中で最も昔に買った写真集、Irving Pennの「FLOWERS」。アーヴィング・ペンといえば写真好きでなくても名前を聞いたことのある人も多いはず。アメリカが豊かさを謳歌していた時代、ヴォーグ誌に沢山の素敵な写真を提供した写真家です。そのペンが1967年から1973年までヴォーグ誌のクリスマス号に提供したのがこれらの花の写真です。そして、それを本にまとめたのがこの「FLOWERS」。僕の持っているこの本、価格は35ドルとなってますが、1980年出版のFirst Editionなので、もしかして今はもっと値打ちがあるのかもしれない。と、思ったのでアマゾンを見てみたら17000円から23000円で売られていた。僕のはカバーとか汚れているので売り物にはならないし売る気もないけど、本も値打ちが上がるものなんですね。当時、本屋さんの一番入り口に近いカウンターに並べられていたこの本のカバー写真の花の美しさと、花をこんなにお洒落に撮った写真があるんだという驚きで即買いしたのを覚えてます。それにしても、アーヴィング・ペンって名前もカッコいい。ピカソもそうだけど、巨匠となる人はどうしてカッコいい名前なのか、または、巨匠になったからかっこよく聞こえるのか。。。

筆者プロフィール

田辺良太

田辺良太

文化学院油彩科在籍中の17歳で渡米。

サンフランシスコの高校を経てアカデミーオブアーツにてアートを専行。
20歳の時に念願のニューヨークに移住し、パーソンズスクールオブアーツでイラストレーションを学ぶ。
23歳の時にマガジンハウスの雑誌、ポパイ、ブルータスの仕事を始め、以後、ニューヨーク特派員となる。
80年代90年代のニューヨークで雑誌の特派員として様々な情報を日本へ向けて発信、特にアートの情報を得意とする。

2000年を目前に日本に帰国し、ウェブサイトの仕事を始める他、化粧品やファッション、インテリアの仕事に携わる。

現在は、東京に暮らしウェッブ関連の他にコンサルタント業など幅広い分野で仕事をする他、展覧会の企画やアートディレクションなどを行う。

2013年にはリニューアルした新宿伊勢丹に誕生したパークと呼ばれる売り場にアートを展示するというアートディレクションを担当している。

毎年年末にニューヨークとマイアミのアートバーゼルに遊びに行くのがここ数年恒例の楽しみとなっている。