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米原康正(第2回)独特な日本のカルチャーと日本人気質について

アート = ファッション?

田辺:日本ではアートがファッションになっちゃったのかな。

米原:ファッションになってるの。 だからそこの部分が日常から離れて行くってとこだったりして、俺からすると別にアートってなくてもいいもんだと思うんだけど、「あればなんか良いじゃん!」って物だと思うんだよ。もしくはそれがあった瞬間に「俺ってすげーな」っていう、意味もなく感動するとか意味もなく怖いとかっていう、そういう意味のないって部分の人の気持ちに伝えるものっていうのがアートだと思ったりするんだけど。

田辺:なるほど。

米原:それがやっぱり日本だとお洒落っていう枠だったりさっきも言った通りイメージ?あ、こういうのがお洒落かも!こういうのが高いからお金持ってるように見えるかもとか。なんか、その純粋な感動っていうのではない、なんだかの部分でしかアートをずっと語ってこなかった。

田辺:確かに!そう思う。 なんか、海外って、もちろん人に自慢するっていうのもあるかも知れないけど、自分自分の為に買う。アートが必要な自分がいて、例えば自分が見て癒されるとか、誰が良いって言ったとかではなくてっていうのがあるじゃないですか。だから好きなポストカードなんかを机にばーっと貼ってる人もいれば、お金貯めて自分の好きな絵を買う人もいれば、流行とかファッションじゃなくて、根本的な動機みたいのがちょっと違う。

米原:そうなのよ、だから「これ良いでしょ?」って言った時に俺はこのアートを良いと思ってるんだけど、普通の人は「いいでしょ?」って言った時に「お洒落でしょ?」とか、「お金持ってるっぽく見えるでしょ?」とか、違う意味があるような気がしてて。だから他の人の部屋とか行くとさ、なんでこのアートとこのアートを一緒に買ってんですか?みたいな、アートの横の繋がりみたいのがないとかさ。なんでこの本とこの本が一緒なんだろうとかさ、俺はもうここにある本とか説明しろっていえば言えるのよ。

田辺:繋がりがね。

米原:繋がりが。でも、日本って結構ばらばらの部屋だったりとか統一性がないのよ。

田辺:人の意見に惑わされている?

米原:自分の意志で物を集めてないっていう、アートだけじゃなくて、じゃあソファ選ぶとか冷蔵庫選ぶってところから全部なんか入ってるような気がして。

田辺:個性を尊重するっていう欧米の文化、その最たるものがアートであるみたいな。でも日本ってどっちかっていうと個性を出すといけないんじゃないかみたいな。だから多くの人が良いというものを良しとしようみたいな。根底に違うものが流れているというか。

米原:流れてる流れてる。

田辺:ねえ、そんな気がしますよね。

文化系 vs 体育会系

米原:だからニコラっていうローティーンのファッション誌があるんだけど、11歳から14歳くらいまでのファッション誌で、もう17年間ある雑誌で、20万部くらい売れてる。

田辺:凄い売れてるね!

米原:その手のファッション誌のヴォーグみたいなもんだけど(笑)、そこで創刊号から「おしゃべりクラブ」っていう読者ページやってて、で、ずっと真面目に答えるから真面目な手紙が来るのね、で、そこで昔から今もずっとあるのは自分の意見を言うとか、私は将来こうなりたいですとか、自分の意見を持ってる子はいじめられるの。

米原康正

田辺:あ~なるほどね。

米原:だから日本で、特に地方に行けば行くほどキャラが濃い子っていうのはいじめられるから。だからキャラ濃くてもいじめられないのはヤンキーか、強いか、それともとことん人を相手にしないオタクになって行くしかなくて、だから今の日本ってヤンキーかオタクしか文化が創れないのよ。あとはもうどっちにも属さない、その時の勢力に流れるだけだから。

田辺:あーなるほどね。

米原:今は文科系が強いからさ、皆が青文字系みたいな文科系になって来てるじゃん。あれも今度は体育会系が強くなるとさ、ギャルみたいな体育会系が強くなる。

田辺:そうですね、僕らが中学校くらいの時は体育会系だったもんね、結構ね。

米原:そうそうそう。

田辺:暴走族とかいっぱいいたし。

米原:でも、70年代とかってさ、自殺が流行った頃とか超文科系だったよね。

田辺:そうだよね。だから、繰り返してんだよね。

米原:そうそう。それも極端過ぎる。今のギャル達って文化系世の中だから居場所がない。ギャル関係で仕事してた人達がなんかもう仕事ができないくらいの勢いになるじゃない。全員文科系で「きゃりーちゃーん!」みたいなノリでないと今の日本では格好よくないみたいな、「秋葉原だー!」みたいな。

田辺:そっちの色に染まってないとみたいな。

米原:そう。俺なんかもう見ての通り前々からどっちも好きだからさ、どっちっていわれても別にこっちやっててもギャルの方も俺やってんのよ未だに。

田辺:ぶれなくね。

米原:はは、ぶれなく。で、そん中で好きなタイプはあるんだけど。

田辺:うん、時代によってね。

米原:でもなんか、さっきも言ったけど日本はイメージでクリエーターも動くから、体育会系が流行ってる時は体育会系の写真を撮るけどさ、いきなりこっち来ちゃうとさ、じゃあ、こっちが良い、こっち忘れてこっち来ちゃうみたいな、そういった部分がこうちゃんとした物を作んない事になってる気がする。

田辺:なんか、独自のカルチャーなのかどうか分からないけど集団でそっちに行きますよね。

米原:うん、行く。

田辺:ね!海外が良いって言ってる訳じゃないけどやっぱりこうまず自分を持つっていうかそういうのが基本にあるじゃない、だから日本ってわりとある意味商売しかけ易いっていうか、もう今だったら文科系やればある程度バーって行っちゃうみたいな。

米原:そうだね。

田辺:凄く単純な民族なのかね?

米原:ね、だから海外が、俺も別に海外が良い日本が悪いって思ってる訳じゃないけど、人と違う事をするっていう事が価値観じゃない。同じであるってことは絶対にもう欧米だったら人と同じだったら「えー!」って話しになる訳じゃん。俺それってアジア的な感じがして。

田辺:アジアかもね!

米原:仏教なのかなって気もする。

田辺:あー仏教ね。

米原:なんかこう、皆が同じような時間に起きて、豊かな国で育ったから。こうお祭りみたいな感じ。

田辺:そうですね、まあまあ、限られた中で言うのもなんですけど、日本って宗教観も含めて凄い特殊じゃないですか、クリスマスお祝いして除夜の鐘聞いて初詣に行くっていう短い間に3つの宗教またぐじゃないけど、欧米の人だと、「そんなのいったい何を信じてんだ?」って話しになるじゃない。で、じゃあ信じてるって意識もあんまりないし、なんか、習慣のイベントみたいな、海外だったら皆宗教持ってさ、まあ、今イスラム国でもめてるけど、命がけでやってるけど日本ってそういう感覚は薄いよね、それも含めて不思議な人種だなーって気がしますけどね。

米原:だから逆にそれを意識してやれれば、意識して自分達はそういう国境みたいな部分もなくてさ、ていうか、外国は好きなんだけど、むこうだと海外の文化を取り入れるっていう時にかなり抵抗感があったり、それは自分達に合わないだろうとかあるんだろうけど、日本人ってスルって、平気で簡単に馴染んじゃう。

田辺:そうだね、うまく取り入れて。

米原:そうだよ、で、実は日本の海外文化っていうか、海外好きな人達ってもう外国以上に恰好いいと思うよ。スタイリストとかって外国好きばっかりなんだけどさ、外人よかスタイリング凄いもん。

田辺:うんうん。

米原:でもそれを自分達はそういう風にして外国好きでこういうスタイリングしてんだってとこを意識してさ、やればもっと世界で活躍出来ると思うんだけど。

田辺:うん、逆にね。

米原:それがやっぱり、海外が恰好いいからこういう風にしてるって意識だとそれはやっぱりあくまで海外に負けるじゃない。

田辺:うん、限界がある。

米原:意識の変え方だけで日本ってなんていうかな、凄い強いものを持てると思うんだけどね。もったいないって思うんだよね。

田辺:なるほどね。

米原さんのコレクション

田辺:あの、ここらで今回紹介の作品を見ましょうか。

米原:はい。

米原康正さんのコレクション:フューチュラ

田辺:コレクションはフューチュラ。

米原:フューチュラです。

田辺:もうフューチュラといえばね、グラフィティーアート界のカリスマですよね。

米原:カリスマですね。

田辺:で、親交があって、日本に来た時にこれをもらったの?

米原:そう、97年にフューチュラが来日した時にアテンドっていうか、遊び連れてってよみたいになって。ちょうど俺が「egg」作ってたから新宿のコギャルばっかしのクラブに連れてったのよ。

田辺:コギャルクラブ?

米原:コギャルクラブ!笑 そしたらもう「イェーイ!」みたいなのりになって、こりゃあスゲーみたいな話しになった。ちょうどその頃に俺が持って来るエロい物を仲間と皆で見るっていうのやってて、で、こういうの盗んで来たりとか、こういうプラモデルいっぱい買ったりとかしてたのよ。で、その話しをフューチュラにしたところ突然これに描き出して、なにやってんだろうなって思ったら、すんげえ一生懸命やってて、で、これヨネの為だって言って、どうしたの?って言ったらこのディックが付いてる宇宙人はこれしかないって。

田辺:あー凄いね!じゃあこれはもうプライスレスですね。

米原:ははは!プライスレス!

田辺:なるほどなるほど

米原:というね、97年に描いてもらったやつだね。

米原康正さんのコレクション:フューチュラ

田辺:まあ、このイメージは鮮烈だったよね。分かりました、実にヨネらしいコレクションだと思います。ところで、最近もDJイベントしたり個展したり編集したり、若い子の中で活動してますが今後もそういう感じ?

米原:そうだね、俺基本的に現場にいるっていうのを続けて行きたかったりするから。常に今何が起きてるかとか。起きてる場所が好きなのよ。

田辺:うん、そうだね。

米原:うん、だからなんか歳とってさっきの日本の権威じゃないんだけど、それは良いよ悪いよっていう立場になるんじゃなく、常に面白いものをこれ面白いじゃんって発信して行くような場所に身を置きたくて。それで、気が付くとアイドルに巻き込まれてるっていう。笑

田辺:なるほどね、でもまあ相変わらずな感じですね。まあ、ずっとそこにいるでしょ。きっとね。

米原:うんうん。

田辺:決して何かこう遠く離れたきれいな部屋から物事を判断するとかじゃなくて、現場の最先端で皆とドンチャン騒ぎながら肌で感じるっていうタイプだよね。

米原:うん、でも儲かんないんだけどね、それが。笑

田辺:あ、でもお金じゃ買えないものがありますよ!この作品もそうだけど。

米原:まあ、そうなんだけどさ。家の奥さんによく言われるんだけど、もうちょっと我慢してくれればって。もうちょっとって。笑

田辺:でもそこがいいところなんだよ!笑 というわけで、そろそろこの辺で、今日は長々とありがとうございました!

米原:はい、ありがとうございましたー

米原康正(第1回)「コレクションやクリエーティブな仕事について。」はこちら!