月別アーカイブ: 2015年5月

渡辺いく子(第一回)ファッションとアートの関係性の話や、コレクションを始めたキッカケなどの話

ファッションとアートの関係

田辺:今日はどうも、よろしくお願いします!

渡辺:あ、はい。よろしくお願いします。

田辺:なんか、いく子さんとはもうずいぶん長いんですけど、ニューヨークで。。

渡辺:あ、そうですよ、最初に会ったのニューヨークですもんね!

田辺:誰も、ここには他に日本人なんかいないだろうなみたいなクラブに。。。

渡辺:クラブとかパーティーに絶対にいるの!一人でも!笑

田辺:そうそう!

渡辺:1人でも!単品でもいくという。。。

田辺:そう!さっと現れるという。。

渡辺:はい!

田辺:今回は本を出されたレセプションにお招きいただき、そこでちょっとお声をかけさせて頂いたんですけど。

渡辺:はい、ありがとうございます!

田辺:いえいえ、まず、本業はファッションのスタイリストで、本もそういう感じの本をお出しになられてるんですけど、最近、アートの世界とファッションの世界が近づいて来たりして、まあ、川久保さんみたいな?

渡辺:はいはい!作品、みたいな?

田辺:アートとファッションの関係って?

渡辺:あとマルジェラもそうですよね!

田辺:そうですね、あとアレクサンダー・マックィーンがメトロポリタン美術館でで回顧展やったりとか。。。その辺でご自身が持ってる感想とか?どういう事なんでしょうね、アートとファッションって?

渡辺:どういう事なんでしょうかね、えーっと、やっぱり、まず1970年くらいからウォーホルが出て来て、美術と商業美術?ちなみにわたし、それを卒論にしたんですけど、誰にも受けなかったんですけど。。。笑

田辺:卒論に書いたんですか!笑

渡辺:そう!卒論にしたの。ポップアートっていうか、商業美術と美術っていうのが始まって、で、川久保さんとかも出て来て、ファッションっていうのも、普通に着れるウェアラブルなカジュアルなものの他に、これって舞台衣装じゃないの?みたいな、それは72年のデヴィッド・ボウイの山本寛斎なんかもそうですよね。

田辺:うんうん。

渡辺:そう、だからそれがステージ上だけのものだったのがだんだん下りて来て、だから例えばアーティストの恰好とかでも。それで、いわゆるそういうファッションの方も装飾的なものを一般の人も着るようになった。昔だったら貴族の人達が着ていたものがロンドンポップぐらいから、ツェッペリンとかそういう貴族の恰好していたじゃない?

田辺:あ~はいはい。

渡辺:うん、で、そこぐらいから始まって、装飾過多なものを普通に着ちゃうっていうムーブメントもあって、で、その後にウォーホルとかキース・ヘリングとかグラフィティー的なものとかシルクスクリーン的なものが出て来て、私もシルクスクリーン取ってたんですけど学校で、で、写真もやってたんですけど、それってそのままTシャツとかに刷れて。。。

田辺:そうですよね!

渡辺:はい、そうすると、それがたまたまTシャツに刷ったものはウェアラブルでファッションになるし、キャンバスにプリントしたらアートになる!ってことでだんだん融合して来ちゃった。

田辺:なるほどね!

渡辺:その二つですね、商業的なものから来たアートと、それから川久保さんとかそのうちトム・ブラウンとかに行く造形的なもの?フォルム的なもののアートと、その両方からファッションとアート、美術っていうのは融合して行ったんじゃないかと私は思うんですけど。

田辺:そうですよね、川久保さん作り出すデザインって衝撃的だった。

渡辺:衝撃的でしたよね!そこには現代アートに通ずる考え方があって、やっぱり現代アートっていうのはきれいとかっていうよりもノイズが入る?どこか引っ掛かるのが現代アートじゃないですか、だから川久保さんのファッションっていうのは現代アートだと思って、アンチテーゼとか、何か定義しますよね?そのものを人が見る事によってなんか心に引っ掛かる。なんか、変だな?おかしいな?ビザールっていうか、ちょっと気持ちが悪いなっていうのでも何でも良いと思うんですけど、そこから、じゃあなんでそうなんだろう?って考えさせる。っていう点では川久保さんの作品はまさに現代アートだと思います。

田辺:そうですよね。出て来た時も衝撃的でしたけど、今も第一線で挑戦し続けているというか。。。

渡辺:はい、で、更に恐ろしいことには、彼女の服はそれをやってらっしゃる時には分からないんですけど、その時はこれ着れないでしょ、絶対にあり得ないでしょって思えても形を変えて若い子達がインスパイアーされ3年後5年後にはそれが街のものになってしまうところが凄いんですよね。

田辺:そうですよね、ただの好き勝手なアート作品ではなくて商業製品としても成り立っている。

渡辺:で、ウォーホルとかもそうですよね、最初これはいたずら書きなんじゃないかとか。。最初に1975年かなんかに日本橋三越で第一回の回顧展やった時に毎日行ってたんですけど、その頃はもうガラガラで誰にも相手にされず、でもこの間六本木ヒルズでやったら毎日満杯で、そんなに皆ウォーホル好きだったんかい?みたいな。だから、時代?その時は分からなくてもちょっと先の時軸を行っている?川久保さんのファッションとかもそういうところありますよね。

田辺:ありますよね。ファッションって繰り返すっていいますけど、川久保さんとウォーホルに共通してる何かがありますね。

渡辺:そう、時代の先を行って流れを超えちゃったみたいなところがありませんか。

田辺:ウォーホル展もかなり彼の活動を多岐に渡って紹介していて若い人も見に来てましたよね。

渡辺:見に来てましたよ!

田辺:若い人なんてウォーホル知らない?

渡辺:知らないですよね!はい。

田辺:新鮮だった?

渡辺:パナソニックとかのコマーシャルも知らないし。

田辺:知らないですよね!笑

渡辺:特に亡くなってから結構経ってるからユニクロのTシャツでしか知らないかもしれない。

田辺:そうですよね。

渡辺:はい。

田辺:だから、そういう人達が見たっていうのは貴重ですよね。

渡辺:貴重ですよね、その三越と今の間に何回かやっているんですけど、清澄の現代美術館でもやりましたよね?

田辺:あーそうなんですか!

渡辺:その時もね、そんなに人はいなかった。

田辺:じゃあこの前の森アーツは凄い?

渡辺:この前はちょっと異常でしたよね。まあ、なので、一番先端のファッションと現代美術っていうのは凄く似ている。でも、美術っていつもそうで、出た時はアバンギャルドっていわれる?例えばスーラーの点描画とかゴッホでもそうですよね!最初は何これ?みたいな。

田辺:1枚しか売れなかった。

渡辺:そう、それも親戚だか弟が買い支えたっていう。それが今じゃ億単位で素晴らしいって。だからちょっと時軸とずれて先を出しちゃうんじゃないですかね。

田辺:ファッションでも。天才とよばれる人は?

渡辺:ファッションでもアートでも!天才という人は。そこが美術というものとファッションというものがリンクする。。。特に今の時代はそれが凄くリンクしている。あ、でも浮世絵なんかもそうじゃないですか!今あの大田美術館で浮世絵展やってて、江戸時代の町娘とか遊女がオシャレの先端を行ってたんじゃないの?みたいのだけを集めた企画展をやっているんですけど、それもそうじゃないですか。

田辺:そうですね~

渡辺:浮世絵だって当時は町のブロマイドみたいなものですよね?それが今やアートになっていて。

田辺:あ、先に海外で評価されちゃってね。

渡辺:はいはい。で、そこからまたゴッホとかに行ってるんですよね、構図とか影響与えたりして。

田辺:大胆な構図ね。

渡辺:はい。

コレクションのきっかけはマチス?

渡辺いくこ ikuko-watanabe

田辺:もうファッションではめちゃめちゃ洋服もお買いになって、ファッションを好きだと思うんですけど、アートも同じ軸というか。。

渡辺:そうですね。。というか、割とひねくれ者なのでたまたま好きだと思ったものは人が気にしようがしまいが買うよ!っていう。。。笑
マチスもリトグラフ持ってるんですけどね、サイン入りのね。でも、普通だったら切り絵みたいなきれいなの買うんでしょうけど、それなんか線画でのっぺらぼうで。。。それはね、どうして買ったかっていうとニース?カンヌ?あっちの方にマチス美術館があるじゃないですか。

田辺:あーありますね!

渡辺:そう、で、私凄くマチスが好きで見に行ったんです。私好きだとそこまで見に行っちゃうんですね。笑
クリムトとか好きだからってウィーンも行ったし。。。
その時にマチスの美術館ってステンドグラスとかあって、色だけのステンドグラスだけど、そこの壁に描いてあったシリーズで、実際にそこには枢機卿の石版画シリーズがあったのだけど、それをたまたま青山かなんかのギャラリーで見かけて買っちゃったんですよ。

田辺:そうなんですか!

渡辺:そう、それはバブルの時に買っちゃったんです!笑

田辺:素晴らしいですね。凄い価値が上がってると思います。

渡辺:上がってるんですかね?

田辺:下がる事はないです!

渡辺:ないですかね。でも、刷り数が多いからリトグラフだし。

田辺:そりゃあもう、サインが入ってれば大変なものです。

渡辺:入ってるんですよ!

第2回に続きます!