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今津景展「Repatriation」

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白金のYAMAMOTO GENDAIギャラリーで今津景の新作展覧会を見る。 去年この作家の展覧会を同ギャラリーにて初めて見た時には衝撃を覚えた。 今まで見たこともないような圧倒的なイメージの斬新で迫力ある作品である。 「Repatriation」(帰還)という意味のこの展覧会では今までで最大級サイズの新作も展示されていて圧巻の展示内容となっている。 ここに描かれているイメージソースはギリシャのアクロポリスミュージアムの展示作品とインターネット上に公開されている未返還、もしくは略奪や破壊を受けた美術品だという。 それらをデジタル処理してキャンバスに描き出すという独特な技法がこのコンピューター処理的なイメージの特異な雰囲気を作り出しているのだ。 それにしても、イメージの混沌が溢れ狂うというか、渦巻くような迫力の画面は驚愕である。 美術品は混ざり合い、お互いに交錯してひとつの大きなうねりを作リ出す。 ブラシストロークで引き伸されたようなイメージはそれ自体も歪められている。 いったいどこから描き始めてどこで終るのか、眼を凝らしてみても分からない。 色彩も鮮やかだが画面の光沢もどこか異質な絵画を見ている気持ちにさせる。 いずれにせよ、今後の活動にも大いに注目の気鋭な作家だと思う。

安藤正子 作品集刊行記念展 “Songbook”

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画家、安藤正子の新作展が作品集の刊行記念として開催されている。 小山登美夫ギャラリーで2004年に初個展してから今回でなんと3回目。 2004年から3回しか個展がないなんて信じがたいが、彼女の絵を見るとその理由が分かる。 とにかく、丹念に塗り描き込まれた油絵の具の表面は驚くほどにツルツルになっている。 その色はまるでキャンバスから浮かび上がったかのように深く、線は鮮やかに躍動する。 数年前に原美術館で彼女の展覧会を見たときもしばらくキャンバスの前から離れられなかった。 遠くで見ると絵の全体の揺るぎない存在感とそこから密かに漂う不思議な力強さを感じる。 そして近くに寄って目を凝らすと絵の中に吸い込まれるような気持ちになるほどに滑らか。 彼女は幼い子供と中部地方に暮らし、年に数点のペースで作品を制作し続けているという。 こんなに丹念に制作された油絵はなかなか見られないが母の強さみたいな力が生み出すのか。 そう、まさに描くというよりも生み出すという表現の方が似合う素晴らしい絵である。 作品集もとても丁寧に作られているが、過去の作品は本の中で改めて見ても感動するほど美しい。

蔡 俊行(第三回)長く持てば確実に価値が上がる現代アートの投資物件としての価値などについて。

ピータービァード作品との出会い

田辺:アートの話に戻るけど、例えば奈良さんの作品を10年前に買っていたら今もう何十倍みたいな?

蔡:うん、凄いだろうね。

田辺:まあ、投資というといやらしいんですけど、そういう側面も世界基準のアートにはあって、そういうアピールっていうのをもっとしたらどうにかなるんですかね?

蔡:さっきの話に戻るけど、皆がアートを買う買わないっていうのは、これって有名な人なのかしら?値上がりするのかしら?っていうのがどこかであると思う。

田辺:うん、そうだね。

蔡:そう、だから値上がりするんだったら買ってもいいけどその買い時が分からないっていうのもあると思う。
俺にもそういうのちょっとあるし。
だからその投資的な側面っていうのはアートにとって大事だよね、中国人なんかはきっとそれでガンガン行ってるんだろうから。

田辺:いやもう、リターンは凄いと思う。

蔡:でしょ!だから昔マーチンローレンスギャラリーだったか、ソーホーにあった。
もうずいぶん前の話だけど。

田辺:はいはい。

蔡:まあ、ね、ふらっと入ってバスキアの絵が、なんかデリのバッグみたいなのにくしゃくしゃって描いてて、5万ドルくらいだったかな、当時。

田辺:うんうん。

蔡:買っときゃ良かった。。。笑

田辺:そういうの僕もいっぱいあります!笑
アート界のタラレバは本当に凄いからね。

蔡:あと、キースヘリングが日本に来た時にトゥールズバーで会って、知り合いがオーガナイズしてて、で、皆のTシャツに描いてくれてたの。

田辺:えぇ!描いてくれたの!いや~そんなの大変なもんですよ今や。

蔡:もうどこに行ったか分かんないけど!笑

田辺:もったいないな~
アートフェア行くとキールヘリングの描いた壁とか剥がして売ってますからね。

蔡:なるほどね。

田辺:でも、確かにそうですよね、日本だとアートを買うキッカケというか、どうやって買うかとかそういう知識ってないですよね。それを得られる場が少ないっていうのがアートを買うのが少ない要因にあるのかもしれない。

蔡:だから、ピータービァードを買ったっていうのは、やっぱその前からこの人の活躍とか活動とか知ってたし、エンドオブザゲームっていう本を買ってから知って、色々と活動を読んで。
で、いわゆるメリルストリープとロバートレッドフォードのアウトオブアフリカとかがこの人に心酔してる人の書いた話とかっていう背景が分かって。
で、なんとなくその時にたまたまロサンゼルスのクラインなんとかっていうギャラリーだったかな?そこで買ったりして。

田辺:いくつ持ってるんですか?ピータービアード?

蔡:えーっと、5枚くらい。

田辺:へぇ~凄いな。

蔡:最初、だからそのロサンゼルスのラブレアだったかな?にあるギャラリー、なんとかクライン。。ファフェーだ!ファフェークラインっていうギャラリーにたまたまユニクロのロケハンで先乗りしてコーディネーターの人と時間が余ったからどっかで時間潰そうよってことで、そういえばここにギャラリーあるわっていうんで。
写真のギャラリーだったんだよ。
あ、その前に写真の話をしてて、ブルースウェーバーのプリント欲しいななんて話をしてたの。
で、ブルースウェーバーあるから行ってみようって行ったらピータービアードだったの、全部。
たまたまその時が。

田辺:なるほど!

蔡:で、もうガツンっと来て。

田辺:もう、出会いですよね。

蔡:そう!そこで衝動的に何枚か買って。

田辺:お~

蔡:で、持って帰ったんだけど。
で~その次のロケがニューヨークだったの。
たぶん良太とはニューヨークで会ったと思うけど。
ハンプトンでロケした時。
その時に、ブルームにあるギャラリーでピータービアードの回顧展をやってたの、ずっと。

田辺:へえ~、そうでしたっけ。

蔡:そう!タイム&ナウっていう。
これはその時に買ったんだけど。
で、その時に、その時には買わなかったのか、で、次にニューヨーク行った時に、なんかしょっちゅうニューヨークに行ってたから、既に知っててまた行って、なんか欲しいな~なんて。
大体の値段感は分かっていたから。
ギャラリーの人にこれちょっと欲しいみたいな話をして、で、最初はこんな感じの麒麟の写真はなかったんだけど他に麒麟の写真があっておれ麒麟が欲しいいんだって話したら、今ちょうどピーターが来てるから頼んであげるよって言ってくれてピータービアード本人が写真にいろいろ加工してくれるからってなって、で、なんにも加工されてないプリントだけ持って来てこれでいいか?ってなって。

田辺:うんうん。

蔡さんお気に入りの作品

ピータービァード

蔡:で、描いてくれて後日送って来てくれたのがこれ。
だからこれが一番気に入ってるの。

田辺:素晴らしいね~これは貴重ですよね。

蔡:これはね、別に値段が上がるとかなんとか興味がこれに関してはないんだけど。
これで6000ドルだったからね。

田辺:何年前?

蔡:え~っと、これは何年前だったかな。。。

田辺:10年くらい前?

蔡:いやいや20年くらい前、20年は経ってないか。。でも15年とか以上は前。

田辺:すっごい価値上がってると思うよ!

蔡:たぶん、倍にはなってると思う。

田辺:いや、倍どころじゃないでしょ!ピータービアード!

蔡:あ、そう!本当!

田辺:うん!
うゎ~凄いな!
まあ、じゃあ、そんなような出会いがあって、ピータービアードとは、その中のひとつということですね。

蔡:そうそう!そうなんだよ。

田辺:なんか、サイの写真もあったら良かったのに!

蔡:サイね、うん、でもこれは彼のケニヤの牧場かな、猪の、その写真。

田辺:なるほど!
分かりました、じゃあ今後もいい出会いがあればアートは買うと!?

蔡:まあ、そうだね。
でも写真が多いかな。

田辺:写真ね!
あ、そうだ、マイケルトンプソンも買って頂いて。

蔡:なんか、細々した物はたまに買ってる。

田辺:なんか、買ってるの?
アーヴィンペンとか?

蔡:いや、アーヴィンペンはないけどブルースウェーバーは持ってる。

田辺:あ、そう!それ凄いね!
分かりました、まあ、話は尽きないですけどこの辺りで。

蔡:はい

田辺:ありがとうございました!

蔡:いえ、とんでもない!

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