月別アーカイブ: 2016年6月

“FAR FROM HOME” by Ly

西麻布にあるCALM&PUNK GALLERYにてアーティストLyによる展覧会”FAR FROM HOME”が6月26日まで開催中されている。“SHIT”“HATE”などの怒りのエネルギー満載のLyの作品は白と黒、そしてグレーの世界で構成される。そこに現れる黒いモンスターやスケボーカルチャー、グラフィティカルチャー。アメリカのサバーバンなストリートカルチャーの見事な描写は日本人とは思えないオーラを放つ。東京以外にも彼女の作品はパリやロスアンゼルスでも人気だというがこの独特の白黒の世界は世界中の若者の心の中にある孤独感や疎外感、怒りなどと共鳴する魅力があるのかもしれない。会場は壁一面がキャンバスと化し、中央には木製の巨大モンスターのオブジェが陣取っている。LyのオリジナルTシャツやペイントセットなども販売していて面白い。また、6月25日26日には巨大モンスターオブジェの解体ショーもあるとのこと。面白い趣向である。IMG_0876 IMG_0879 IMG_0880 IMG_0886 IMG_0888 IMG_0890

和田真由子個展「隣人」

7月2日まで白金の児玉画廊で和田真由子「隣人」展が開催中だ。彼女の作品はグループ展で見たことはあるが今回は個展なので数多くの作品を一度に見ることが出来た。淡く儚い影のようなイメージはキャンバスではなくビニールシートの上に鉛筆などで描かれている。そしてそのビニールシートはキャンバスの木枠のストレッチャーの様な装置の上にだらりと垂れかけられる。壁面に設置された木枠の上に平然と垂れかけられたビニールのイメージは透けているのでレイヤーとなって立体的にイメージを見せてくれる。また、照明を受ける垂れたビニールのしわはイメージに独特の表情を与えているようにも思う。彼女は頭に浮かんだもののイメージを記憶を頼りに描くのだという。そうすることによりそのイメージは具現化され見るものに伝わる。イメージにボディーを与えると語るその手法は頭の中に存在する図像を可視化させるという作業。個々が勝手に頭の中で描いている馬や植物、犬などのイメージは様々である。彼女は作品を通して彼女にとってのそれらを表現しボディーを与えるのだ。ビニールに近づいて見ると表面には筆で塗られた質感が見て取れるがこれは透明の塗料で作られた独特のテクスチャーである。そこに描かれる淡いイメージ、垂れ下がったビニールの儚さ、重なり合うイメージの放つ偶然性にも似た面白さ。隣人と題されたこの作品は誰の頭の中にも図像としてだけ存在するもの達に小さな命を与えたような不思議な佇まいの作品だと思う。

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