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artwork ahead 2014.01.16

佐藤翠展「Fascinated Times」

2014.1.15~1.27 @ 8/ ART GALLERY/ TOMIO KOYAMA GALLERY

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佐藤翠さんの個展を渋谷ヒカリエにある小山登美夫ギャラリーに見に行った。昨年、伊勢丹新宿店で彼女の作品の展示とその期間中にデパートの一角で公開制作、いわゆるライブペインティングのイベントを頼んだ経緯がある。その後、彼女はイギリスに半年ほど留学したので久々に個展でご本人と再会した。今回の絵はイギリスで描いたものも多く、大きなキャンヴァスに描いた絵をその後に枠組みから外しロール状に丸めて持ち帰ったそうだ。彼女の絵のモチーフはクローゼットだったり奇麗な壁紙やカーペット、花やハイヒールなど女性身の回りにあるようなものを題材に取り上げる。作品はいずれもカラフルであるがその色彩感覚は独特で、どの作品にも共通するのはパステルのような淡い色と派手な色の組み合わせの絶妙なバランスの美しさだと思う。色彩感覚というのは誰かに教えられたり学校で学んで身につける類のものではなく作家自身の才能というか、感性の現れだと思っているが、彼女も実に独特な色彩世界を持っている。そして、これは以前にライブペインティングをしている制作風景を見て思ったのだが、一見すると具象的な彼女の絵の正体は実は非常に抽象的な絵画の描き方やアプローチで制作された抽象画なのである。絵の具の垂れを絶妙に利用して描き進んだり、荒々しいブラシストロークを多用したり。遠く離れて見るとクローゼットに整然と並ぶ洋服の絵のように見える作品も近くで見ると過激なまでに抽象的なアプローチで描かれた作品となっている。そのギャップがとても面白くて抽象画の新たな姿を形成しつつあるような予感さえ感じる。2013年に若手作家の登竜門であるBOCA展に於いて大原美術館賞を受賞した将来が楽しみな作家さんだが、ご本人はお洒落が大好きな現代女性でもあり、その自由な雰囲気が作品にも躍動する生命力のように宿っていると感じた。今年はもう一つ大きな個展も控えているということで今後も更に見続けたい作家さんである。