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artwork ahead 2014.07.03

デヴィッド・リンチ David Lynch

2014.6.25~7.14 @ 8/ART GALLERY/ TOMIO KOYAMA GALLERY

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映画監督として有名なデヴィッド・リンチは映画だけではなく絵画や写真、アニメーションや立体作品など実に多彩な才能のマルチアーティストだ。映画監督としては1977年のイレイザー・ヘッドでデビューをして以来、衝撃的な映画だったエレファント.マンやブルー.ベルベット、ワイルド・アット・ハートなど独特な世界観の作品を作って来たが、近年流行の海外ドラマシリーズの先駆け的だったテレビドラマのツイン・ピークスは世界的に大ヒットした。彼のアート作品も映画と同じく独特の世界を持っている。それはどこか暗くて謎めいていて人間の内面をむき出しにしたような生々しい雰囲気の作品である。まるで映画のワンシーンのような絵もあれば記憶の彼方に置き去りにされた情念のような絵もある。夢か悪夢なのか、もしくは予知夢なのか。見れば見るほど絵の秘める謎めいた暗示的な要因に引き込まれる不思議な魅力の絵である。今回の展示では木版とリソグラフ、そして写真も数点展示されたがそれらは全てモノクロで異次元の世界を表現しているかのようだ。非常に難解な癖のある人間というか、彼にしか表現出来ない確固たる世界、彼にしか見えない世界があるような、そんな気がする。彼の映画も相当に個性的だがアート作品はそれがもっと濃縮されたように思える。元々画家を志していたというのできっと絵画での表現が彼にとって最も自分の表したい何かをさらけ出せる手段なのかもしれない。見るものによっては嫌いな絵かもしれないが、それは好きと同じくらい大切な感情の起伏であり、すぐれたアートが持つ力なのだと思う。