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artwork ahead 2014.08.29

ignore your perspective 27 油画考#2「アンチ抒情の絵画考」

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白金の児玉画廊でまた僕の好きな恒例のグループ展が開催された。ignore your perspective 27ではペインターに「油画考」と題して特に絵画を掘り下げる試みの作品を集めた展覧会となっている。参加した作家は大久保 薫、梶原航平、坂川 守、髙石 晃、土屋裕央、中川トラヲの6名だ。一見すると何かを物語るかのように見えながらそうした抒情性とは距離を置く作品を製作するという視点で作家を選んだのだという。いつもながら見応えのあるグループ展だが特に絵画作品が好きな自分にとっては今回の展覧会は非常に興味深かった。作品自体もとても面白い作品が多くて良かったが、なんといってもほとんどの作家がまだ若い点が個人的には注目だった。日本の将来を担う若手が精力的に面白い作品を制作しているというのはワクワクするし、将来的には日本はもちろん世界に向けて作品を発表して行ってもらいたい。肉体をモチーフとした絵画を制作する大久保 薫は制作にはモデルを使わず雑誌やネットで拾った画像を元に制作するといういかにも今の世代的な制作方法をとっている。梶原航平は軽快な筆運びで瞬間的に掴んだイメージをキャンバスに投げつけるように描き印す。ボディービルダーのモチーフから皮膚や肉といった質感を描く絵画から始まり欠陥や神経、人形や玩具など様々なモチーフの質感を描いて来た坂川 守は独特で生々しい印象の作品を作り上げる。髙石 晃は2013年に個展もしているが不思議な夢の世界の風景のような作品を描くが実は最初に無造作にキャンバス上に描いた曲線から全てのイメージを展開するといった非常に記号的、考察的なプロセスで絵画を描く。今回初の展示となった土屋裕央は主に生死観をテーマに作品を制作する。意識が失われる瞬間、神話や天地創造など非常に感情的な場面を描くにもかかわらず彼のアプローチは感情的でも感傷的でもなくあくまで生死の境を見定める手段として絵画を使うといった感覚に溢れている。中川トラヲは以前に個展もやった僕がとても好きな作家のひとりで彼の溢れるような線と色と形の世界は全くもって魅力的だ。あくまで自由に、感情の赴くままに描きまくる彼のエネルギーは純粋で潔くて見ていて気持ちがいい。ギャラリー内に展示された様々な作品は作家が様々な方法で絵画を制作した過程の積み重なった結果としてのイメージでありそれは最終的な姿でもあればプロセスの延長にある姿でもある。そこに何をどう読み取るかは観るもの次第なのかもしれない。