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artwork ahead 2014.09.14

長井朋子 飴色の光と落ち栗色の絨毯

2014.9.6~9.28 @ 六本木ヒルズ A/D GALLERY

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小山登美夫ギャラリーの作家である長井朋子さんが六本木ヒルズのミュージアムショップに併設されたA/Dギャラリーにて個展を開催した。彼女は人気作家で毎回作品も売れると聞くが、昨年に伊勢丹の2階で展示をした時に普段は絵など売れる事があまりない百貨店の婦人服売り場にも関わらず100万円くらい作品が売れたのでびっくりしたのを覚えている。彼女の作品には子供時代から脈々と彼女の中に生き続けている夢の世界のようなファンタジー溢れるテーマとモチーフが満載だ。縫いぐるみのクマやウサギ、ユニコーンや子馬などと主人公の少女が戯れているような個性溢れる作品は独特の緻密さでしっかりと丹念に描き込まれる。その夢の世界はファンタジーであるがどこか残酷さのような雰囲気も裏側に備えた魅力を持つ。少女が不意に縫いぐるみを投げ捨ててはまた抱き上げるような予想出来ない衝動を感じさせる。また丹念に描き込まれた作品には回りを忘れ一心不乱にただ描く事にだけに没頭する子供のような無垢な情熱も感じる。しかし、ご本人は確実に絵の描き方を心得た大人であるから描き込みにはきちんと計算されたメリハリがある。自分の描きたい世界を客観的にも見ているから描き込みをする時、しない時、意図的に描き込み過ぎてしまいたい時など様々な衝動を程よく制御しながら絵のバランスを崩さないように、しかし、絵が放つ個性的なパワーを最大限に生かすように作品化するのだ。見る側が彼女の描く絵にハマる理由にはこうした高度な表現技術があるのだと思うが観るものはそれには気が付かずにとにかく好きでたまらなくなって買うというところまで自然に持って行かれてしまうのではないだろうかと思う。彼女は今後も様々なテーマで同じ世界をひたすら繰り返し描き続けて行くような気がするが今回はまさに栗色の絨毯の魅力が引き立った作品群でとても素敵だった。次回はどういったテーマで彼女の世界を見せてくれるのかとても楽しみだ。