ARTRANDOM

artwork ahead 2014.09.19

小西紀行 「人間の行動」

2014.8.23~9.20 @ ARATANIURANO

うらの8 うらの7 うらの6 うらの4 うらの2 うらの1

白金のギャラリーコンプレックスにあるアラタニウラノギャラリーにて小西紀行の「人間の行動」展を見た。キャンバスに様々な人物が描かれているがその色や筆使いにイギリスの画家、フランシス・ベーコンの影響を感じた。ベーコンはピカソに次いで大好きな作家だがまさか彼の影響をこういった形で受けて独自の作品を描く事が出来る作家がいるとは大変驚いた。なぜならベーコンの作風は非常に個性的で容易く会得したりましてや真似の出来るような世界ではないと思っていたからだ。もちろん彼はベーコンのモノマネをしている訳ではない。ひょっとしたらベーコンを知らないかもしれない。まあ、絵を描く物だったらベーコンを知らない訳はないだろう。しかし、こういった形でベーコンをどこか彷彿とさせるがそれの真似とは明らかに違う自分の絵画を描いているというのが凄いと感じた。彼の場合は様々な対象を考察的に狂気的に描いたベーコンとは違い今回見る限りではモチーフは人物に限定されている。展覧会のタイトルにもあるようにそれは「人間の行動」というテーマで描かれた人物画のシリーズといえる。ベーコンと違う点はそういった限定的なテーマ性、また考察の方向性がベーコンとは違う方向と深みにある事、そして狂気の質も違うように思われる点だ。絵には自ずと作家の内面が現れるが、ベーコンの場合は「狂っている」と言ってしまうと簡単だがそれを絵画の上で冷ややかに狂気的に表した点にあってそれは誰にも真似出来ないだろう。ゴッホの狂気は彼にしか描けなかったのと同じである。そして、小西紀行の場合は少なくとも絵を見て感じたのは一見すると狂気的に描かれているようだが受ける印象にはどこか温かさがあるという点だ。しかし、乾いたキャンバスの上に最小限に乾いた状態の絵の具を筆でこすりつけるような感じで描く筆致やどこか考察的な筆運びなどディティールにはやはりベーコンを思わせるものがある。ただ、彼がもしもベーコンの影響を受けていたにしても注目すべきは彼がそれらを自分のモノとして独自の表現に完全に取り込んでしまっているところで、だから作品に偽物っぽさはまるでない。今後も彼の作品を注目して見て行きたいと思うのはどんな経緯であれこういった独創的な作風と表現方法を備えた作家がこの先にどのような作品を作って行くのか楽しみだからである。