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artwork ahead 2015.03.09

Broken Image 今津景

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山本現代にて今津景という作家の絵画展を見た。送られてきた展覧会のインビテーションを見た時にこれは絵画なのか写真を合成したのか、なにか得体の知れないイメージだと思っていたが実際のそれは絵画作品であった。画面には古今東西の歴史的な絵画や彫刻などの芸術作品のイメージが散りばめられているのだがそれらは全て断片で、更にそれぞれのイメージがブラシのストロークで混ざり合い繋がって一つの抽象的なイメージへと再構築されているような不思議な作品だ。今まで見た事のないイメージに圧倒されるがごちゃ混ぜになったアートのかけら達が一つになって放つその存在感は劇的で美しい。しかし、そこにうるさい感じはなく、どちらかというと静寂な存在感すら感じる。もちろん、動き、スピード感などを絵の節々に感じるのだがそれら全てが繋がった作品は一つの大きな存在として成立しているのだ。早く動く物体を写真で捉えようとしてイメージが流れて写る感じ、またはアニメに出てくる速い動きを表す表現手法など、視覚的に我々が現代になって見慣れて来た物の見え方がこの絵画の表現手法の中には見え隠れする気がする。それにしてもこういったブラシで引き延ばすような独自の描き方を見つけると作家はとかくそれをむやみに繰り返し結果としてワンパターンでつまらない作品にしてしまいがちなものだが、そういったマンネリ感はこの作品にはない。おそらく作家はこの手法でイメージをコラージュのように繋ぎ合わせる過程で繋がる事、重なる事で生まれる新たなイメージそのものを独自のインスピレーションと感性で捉え識別し、抜群の間や見え方の面白さを感じながら描き切っているのだと思う。だから結果としてこんなに面白くて奇抜だが同時に美しい絵画作品となっているのだろう。なんだかデジタル処理したような雰囲気もするが、ある一定のルールやパターンがあるようでいて実はなく、あるのは進行するイメージを見ながら作家が感じたインスピレーションを頼りに自由に描き出した結果なのである。これは機械にはとうてい出来ない技だと思う。一見デジタルっぽいようでいて実は人間ならではの美意識を頼りに描かれた美しい作品だと思う。それにしても面白い表現をする作家であるし、今後の作品もとても楽しみだ。