ARTRANDOM

artwork ahead 2016.02.28

トレースされた世界「東京尾行」

2016,1.23~5,8 @ 原美術館

原美術館にてハラドキュメンツ10「東京尾行」を見た。次代を担う若手作家を紹介するというこの企画展、今回の作家は佐藤雅晴だが彼の作り出す映像作品は文字通り次代を担う新しい表現力を持った作品だと感じた。彼は実写映像をトレースという手法でなぞりながら写し取ることで実写映像とそっくりのアニメーションを作り出す。作品は全てがこのトレースされたアニメーションのものもあれば一部だけがアニメーション化されたのもある。一見するとどこがアニメでどこが実写なのか分からないほど緻密だが、彼はこのイメージを全てペンツールというソフトを使って丹念に、膨大な時間と労力をかけて作るのである。よく見ると実写とアニメの境界は揺れながら絶妙に行き来して見える。今まで見たことのないようなこの作品画面の面白さは実際に見ないと分からない。「トレースとは尾行である」というコンセプトによって完全にアニメ化された世界と実写場面にアニメを混ぜ合わせた世界。そこに展開される様々な東京の風景はどこか異様だが同時に不思議なリアリティーのようなものがあり見ていると少々怖くなってくる。それにしてもなんとも個性的で面白い作品を作る作家で今後の活躍がとても楽しみだ。

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