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artwork ahead 2013.09.22

税官史ルソーについて

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2013年9月14日から11月10日まで世田谷美術館でアンリ・ルソーと素朴派やアウトサイダー達の作品展が開催されている。面白い企画なので是非お勧めします。ルソーの絵は中学の美術の教科書なんかに絶対にある絵のひとつで、僕の時は砂漠で眠るジプシーになぜかライオンが接近している不思議な絵があったのを覚えている。その後、この絵の本物にニューヨーク近代美術館(MOMA)で出会うのだが写真で車いすの方が見入っているようにとても人気のある絵だ。もう一枚、MOMAにはジャングルの絵もある。ルソーで有名なのがこうしたジャングルとか異国の不思議な情景を表した絵で、眺めていると独特の世界に迷い込めるような魅力がある。パリの入市税関に20年以上務めていたルソーは「税官史ルソー」とも呼ばれそのファンは多い。ピカソもルソーの作品をコレクションしていた。幻想的というか夢の世界というか、彼の描く異国は実際には彼の頭の中以外どこにも存在しない。日々異国からパリに入って来るエキゾチックで不思議な品々を税官史として見て来た彼は、その「不思議なもの」に異国に行った人から聞いた話などを織り交ぜて想像上の異国に思いを馳せて絵にしたのだ。かなり適当に都合良く想像されて作り上げられたこのルソーの異国はそれ故にとても魅力的で彼独自の幻想的な世界を確立している。ルソーを語る時、その絵画の手法も重要だが、世田谷美術館での展示がいわゆる素朴派やアウトサイダー達と共に語られるようにルソーは素朴派というような位置付けの作家になっているのだろう。正式な絵画の教育を受けず、いわゆる独学で描いたような作家はヨーロッパでは画家としては正式に認められることはなかったのかもしれない。日本でもそうだが画家になるには画壇に所属して誰それの弟子になってというようなしきたりみたいのが強い世界なのだろう。ルソーは独学であり言ってしまえば日曜画家である。絵は趣味の域というようなスタンスの作家と同じといえる。しかし、彼自身はかなりの歳になってから趣味的に独学で絵を始めたにもかかわらず、自分は相当凄い画家だと豪語していたと聞いた事がある。そして時代が過ぎてみれば彼は正しかった。ルソーは美術館に蒐集される程の凄い画家だったのだ。彼の魅力的な絵は一度見たら忘れない何かを持っているしテクニックだって素朴とか独学とか言われても僕はたまらなく好きだ。ジャングルを写実的に描ける画家はきっと五万といるがルソーのジャングルは彼にしか描けない。好きなものを好きなように描く。それが一番自分にとってのうまい絵なのだ。学生だった頃に絵に点数をつけるのはおかしい気がしていた。教育の科目になっている時点で他と差の出る何らかの評価をしなければならないとはいえ、根本的にはおかしな話である。ルソーは自分は偉大な画家であると豪語して毎週日曜日にコツコツと想像のジャングルを楽しみながら描いていたに違いない。「どんな絵でも点数つけるならすべて百点満天!」きっとルソーだったらそう言うような気がする。