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ヒロ杉山(第1回)「コレクションはお好きですか?最初の印象深いコレクションは?」
my art collection 第1回 / 全2回 / 2014.01.06

ヒロ杉山(第1回)「コレクションはお好きですか?最初の印象深いコレクションは?」

ONE SIZE GALLERYディレクターである田辺良太が友人の「アートコレクション拝見!」に伺い、アートに関して気楽に語り合うという連載コーナー「my art collection」。第3回目に訪ねた友人はヒロ杉山さん。昨年はエンライトメントの15周年で回顧展や展覧会など大活躍でした。また、アートを普及させる為にシルクスクリーンをキュレーションしたNeoSilkも企画、アートの現状について語ります。

印象深いコレクションは?

田辺:今日はよろしくお願いします!

ヒロ:よろしくお願いします。

田辺:ヒロさんの場合は、ご自分でもアートを作るし、見るし、企画もするしっていう、まあ、アートと非常に近いところにいる生活をしていると思うんですけど。
コレクションするとかはお好きですか?

ヒロ:好きですね~大好きです。

田辺:最初の印象深いコレクションは?

ヒロ:最初は、ジム・ダインのシルクスクリーンを青山のギャラリー360°っていうところで買ったので。
僕はまだ20~何歳だったかな?20代半ばくらいかな?
まだ湯村輝彦さんの事務所でアシスタントしている時ですね。

田辺:湯村さん、はいはい、あのヘタウマの!

ヒロ:そうそう、で、まだお給料が十何万の時ですけど、その時で3~4万のシルクスクリーンだったのかな。

田辺:結構なお値段!

ヒロ:そうなんですよ!
ドキドキしながら買いましたけどね。

田辺:ジム・ダインはハートですか?

ヒロ:いや、ハートじゃなかったですね、その時のは。
絵柄ちょっと覚えてないんですけど(笑)

田辺:もう持ってないんですか?

ヒロ:持ってます!
ただ、しまっちゃってるんですよ。

田辺:何に惹かれたんですか?

ヒロ:なんか、ポップアート大好きだったんで、アンディー・ウォーホール、リキテンシュタインから入って、当時ポップアートに僕は凄い影響を受けていて。

田辺:ローゼンクエストとか?

ヒロ:そうそう、僕ローゼンクエスト大好きだったんですけど。
その時の、作品を買えるなんて思ってもみなかったんですよ、自分が!
まあ、版画ですけども、でも、そういう本当の人の作品を買うっていう、所有するっていうことがもう!
もしかしたらジム・ダインじゃなくても良かったのかもしれない(笑)

田辺:その、買うっていう行為?

ヒロ:そう!

田辺:その行為がもうエキサイティングな!

ヒロ:もうずっと本で見ていた有名なアーティストの作品、シルクでもそうなんですけど、それをなんか自分が買えるっていうことが。
お金の値段ってことよりもそれを買える機会があるってこと自体がね、なんか、ドキドキしましたね。

田辺:額入で買ったんですか?

ヒロ:いや、その時はもうシートで。

田辺:シートで?
で、自分で額に入れて。

ヒロ:それ、額に入れてないです。

田辺:あ、そうなんですか?

ヒロ:そのまま、マップケースに入れてます。

田辺:あ、そうですか。
で、それが最初で、でも、20代半ばでって早いですね、コレクターとしては。

ヒロ:そうですね、それを機にちょこちょこ、こう、お金を貯めては買いましたね。

田辺:なんか、印象深いのってあります?

ヒロ:ローレンス・ウィナーっていう文字の作家がいるんですけど、その人の、まあ、ポスター的な作品なんですけど、そういうものとか。 あとは、なんだろう、リキテンシュタインのポスター?あの頃はやはりポスターが多かったですね、値段的にも1万2万で買えて。 ポップアート関係の人が多かったですかね。

田辺:グラフィックとかはあまり?

ヒロ:興味なかったですね。
あと、オールデンバーグ!

田辺:クレス・オールデンバーグ。

ヒロ:そうですね、オールデンバーグのダンボールを切り抜いたミッキーマウスの形のマルティプルスがあるんですけど、それを買ったりとか。
それもだから当時で4~5万したのかな。

田辺:どこでお買いになるんですか?ギャラリー?

ヒロ:ギャラリー360°っていうところが神宮前にあったんですよ。

田辺:表参道じゃなくて?

ヒロ:ええ、その前に。
オーナーの根本さんと仲良くて、いつも遊びに行っていて、で、洋書買ったりとか。
すると、「こんなの入ったよ~」とか言って版画を見せてくれるんですよ。

田辺:なるほどね、それは買いたくなっちゃいますよね。

ヒロ:そう!(笑)
そこが、きっかけですかね。

コレクションのポリシー

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田辺:うーん、様々なアートを買って来たと思うんですけど、今一番、ま、今回は1点、この逸品を出していただくんですけど、それは最後にとっておくとして、なんか、ポリシーみたいな?

ヒロ:ポリシー?作品を買うにあたって?

田辺:そうですね。

ヒロ:ポリシー。。。そうですね、一番は、やっぱりこう、無名、有名を問わず、心を動かされたかってところにありますね、値段も関係なく。
無名の作家のでも自分が心動かされたなら買うっていうのもその条件にも入りますよね。 あとは、価格的に買えるのかとかも条件に出て来ますけど。

田辺:やっぱりエディションとかの方が買い易い。

ヒロ:あとは、昔は結構おっきい、といっても1メートルとか1メートル50ぐらいの版画とかも買ってたんですけど、だんだんもう、飾れないってことが分かって来て。

田辺:それはフミヤも言ってました!

ヒロ:住宅事情的に。
なので、今はもう、だんだんちっちゃい方に行ってますね。

田辺:なるほど、小さい作品。

ヒロ:ちっちゃいキャンバスだったりとか。

田辺:あーキャンバスとかもお買いになる?

ヒロ:ええ。
あと、写真もたまに買うんですけど、写真はどうも自分の中では買わないようにしている。

田辺:買わないように?
なぜですか?

ヒロ:写真買い出すと大変だから、切りがなくて。(笑)

田辺:切りがない!

ヒロ:あと、保管が難しいんで、湿気とか。
写真の方がエディションもあるし、大きさ的にも手頃なのあるんですけど。

田辺:そうですね、あと、なんか、マーケットも確立して来たというか。

ヒロ:そうですね。

田辺:この20年くらいでね、アートとしての価値も上がりましたよ。

ヒロ:ね!でも、写真も昔に比べて凄く高くなって来て。

田辺:そうですよね、本当に!
ちょうどTOKYO PHOTOやってましたけど、ああいうとこのは高いんだろうなと思って見てましたけど。
もう、見た事のあるような写真が並んでいたので。。。

ヒロ:写真はちょっと僕の中では値段が上がり過ぎてるんじゃないかなって、キャンバスみたいなタブローに比べて。

田辺:出力のものとか、どこまで耐えられるのか分かんないですよね、100年経ってないですからね。

ヒロ:そうですね。

田辺:消えてなくなちゃったらどうするんでしょうね?

ヒロ:ポラロイドのウォーホールのとかは結構色が抜けちゃってるっていいますね。

田辺:そうですね、抜けると思いますよ、やっぱり、薬品ですからね。
で、今AMANAでしたっけ、ゼラチンとかプラチナみたいなの復刻させてますけど、なんていうんですか、こう、コレクタブルな物としての価値っていう方向へ行ってる動きもある感じですよね。

ヒロ:うん、そうですね。

田辺:余りにも全てがマスで簡単に、もう、家でデジタルプリントが出来ちゃうような時代になっちゃったんで、そういう特別感というか、そういうのを逆に見直すというような感じになって来たのかな。

ヒロ:そうかもしれないですね。
写真の良さっていうのはやっぱりエディションが20とか30あって、版画と同じように価格が抑えられているってところが魅力的だったと思うんですけど、それがもう全然凄い値段したりしますから。

田辺:それを言ったらアートも、この間、なんでしたっけ、バスキアでしたっけポロックでしたっけ、何十億でしたっけ?
もう、ちょっとアートマーケットも行くところまでいっちゃってるというか、普通の人じゃ考えられないような金額ですよね。

ヒロ:そうなんですよ、だから僕もギャラリーに所属して、ヨーロッパとかアメリカ行って展覧会して相手にしてるのはそういうお金持ちの人じゃないですか。

田辺:パトロンみたいなね。

ヒロ:で、それはそれでひとつあるんですけど、僕が最近感じているのは、もう少しこう、変な言い方ですけど、一般の人達に普通にアートを楽しんでもらいたい。
それで始めたのがNeo Silkなんですけど、やっぱり版画であって、とにかく価格を下げて、多くの人に自宅にあうアートを飾る楽しみを伝えたいなっていう思いがあってやってるんですよね。

田辺:賛同いたします!
大きさも、あれはちょうどいい大きさですよね。

ヒロ:そうですね。

→ 第2回「ヒロさんのコレクション」はこちら!

エンライトメント 1997年、ヒロ杉山が中心となり結成。ヒロ杉山、松井正憲からなるアーティストユニット。 ファインアートの世界で国内外の展覧会で作品を発表する一方、フリーペーパーやアートブックの出版、展覧会のキュレーションなども行い、グラフィックデザイン、広告など幅広いジャンルで独創的な作品を発表しつづけている。さらにPV制作やVJなどの映像分野での評価も非常に高く、平面だけではなく立体作品から空間演出も手掛け、幅広い創作活動を展開している。 ヒロ杉山 1962 年 東京生まれ。1986 年 東洋美術学校卒業後、湯村輝彦氏に師事。 1987 年 谷田一郎と近代芸術集団結成。 1997 年エンライトメント設立、米津智之が参加。伝説のフリーペーパー「トラック」を創刊(全7 号) 2004 年、箭内道彦氏と風とバラッド設立。