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野口強 コレクションを始めたキッカケなどの話
my art collection 第1回 / 全1回 / 2014.09.18

野口強 コレクションを始めたキッカケなどの話

ONE SIZE GALLERYディレクター田辺良太が友人の「アートコレクション拝見!」をしながら気楽に語り合うという連載コーナー「my art collection」。第6回目の友人はスタイリストの野口強さん。写真集や写真のコレクターである野口さんにコレクションの裏話などを聞きます。

初めて買った写真

田辺:お忙しい中どうも!

野口:はい。

田辺:今回はmy art collectionっていうコーナーでして、コレクションの話から、まあ、色々と他の話もするというコーナーです。 まず、聞きたかったのは写真をコレクションし始めたキッカケ?

野口:もともとは、写真集。。

田辺:うんうん。

野口:で、ほら、アシスタントの頃って写真集買うのも高いじゃない。でもまあ、立ち読みとか、六本木遊びに行った帰りにブックセンター行ったりとか。。神保町行ったりとか。コツコツ写真集は買いながらも、でも、写真見てると、ちょっと、プリント見たいなあってなるじゃない。で、ギャラリー行ってみたりしたりして、で、ちょっと余裕が出来て、じゃあ本物。。。写真集が偽物って訳じゃないけど、プリントを買ってみたいなって思った。

田辺:なるほどね。 写真集は、ファッション?写真とか?

野口:いや、もうばらばら。

田辺:ばらばら、でも、写真が好き?

野口:そうだね。

田辺:写真集を買ってた頃に特に印象的なのは?

野口:最初の頃は、やっぱりちょっとファッション系が多かったのかな、なんか。 アヴェドンとか、それこそブルース・ウェーバーとかペンとか、それ系が多かったかな。

田辺:ブルース・ウェーバーのリオとか?

野口:うん。

田辺:あの頃のは凄いですよね。

野口:そう。で、リオの中でも「あ~この写真欲しいな」って思ったらブルース・ウェーバーが撮ってなかったりするんだよね。

田辺:え、本当に!

野口:そう!ドーベルマンがバーってジャンプしてる写真が欲しかったんだけど、ギャラリーの人に聞いたら、チコっていうブラジル人が撮ってた。

田辺:マジに!

野口:そう。

田辺:え、あれ全部ブルース・ウェーバーじゃないんだ!

野口:それが欲しいって言ったんだけど、どこにいるか分かんないって言われて。笑

田辺:凄いね!笑

野口:そう、ニューヨークのギャラリーでそう言われたの覚えてる。

田辺:それ、ニューヨークのなんていうギャラリー?

野口:あ~、なんだっけ。えーっと、ロバート。。ロバートなんとかギャラリー。

田辺:あー

野口:ロバート・ミラーだったかな??

田辺:ロバート・ミラー、分かりました。で、最初に余裕が出来て買った写真は何?覚えてます?

野口:最初買ったのは。。なんだっけな、一番最初に買ったのは、ペンかな、ブルース・ウェーバーかな。。

田辺:ブルース・ウェーバー!それはどこで?

野口:ニューヨークで。それは、リオの中の観客だけ撮ってるやつがあるの。

田辺:へえ~

野口:群衆をうわぁ~っていう。

田辺:へえ~それを。。。男と女のみたいなそういうのじゃなくて?

野口:じゃなくて。あと、サーフギャング。

田辺:あ~サーフギャング。

野口:そう、その2枚かな。

田辺:それは当時でも結構高かったの?

野口:いや、まあ、高いよ。

田辺:あ~今だったら大変なことになるね。

野口:ブルース・ウェーバーそんなに高くないもん。

田辺:そうなんだ。でも、まあ、なかなか出回ってないかもしれないですね、どうなんだろう?

野口:どうなんだろう、でもどうしてもやっぱりさ、日本でも前にやったみたいに犬とか、あっち系の方が皆好きでしょ。

田辺:あ~そうだよね、あの、ゴールデン・リトリーバー的な。。

野口:そうそう。本当はねチェット・ベーカーでトランペット持って、寝てるやつで上に手書きで書いてるやつとか欲しかったんだよ。

田辺:あ~いいっすね。

野口:あれはもう、自分の分しかやってないって。

田辺:やってないんだ。結構ブルース・ウェーバーは手書きで写真に色々な文字とか書いた人ですよね。あれもまたセンス良くって。

野口:そうそう。

田辺:その後にアヴェドンとかペンとかっていう大御所的な人を?

野口:そうだね。

田辺:この間、ダイアン・アーバスの話もしましたけど、やっぱりそういう有名な大御所の写真っていうのには惹かれますか?

野口:もう、やっぱり見てたものだからそれはもちろん惹かれるんだけど、でもパリフォトとか行って、なんかドイツ人の無名な人の写真とかも買ったりするけど。

田辺:なるほどね。じゃあ、もう有名無名関わらず?

野口:ジャケ買いみたいなもんだね。

田辺:ジャケ買いね。

野口:そうそう。

田辺:その、写真を買いたい時って「買いたい!」って何かがあるの? こういうのにピンと来たら買うとか。その、ジャケ買いっていうの?

野口:う~ん、でもスティール・ライフが多いかな、あんまり人物ものは買わないかな。

田辺:なるほど。

野口:モデルとかでいわゆるファッションフォトみたいなのは買わないかな。

田辺:へぇ~結構意外な感じ。

野口:あとはウォーホールとかはありだけど。

田辺:あれはでも、存在自体が面白いからね。 誰が一番好きとかってある?

野口:誰が一番好き!?一番はないよね、なんか、それぞれ。

ラリー・クラーク

noguchi tsuyoshi artpiece - LARRY CLARK

田辺:それぞれにいい。 今日のコレクションの逸品として出すラリー・クラークとかはいつ頃から知って?

野口:えーっと、タルサとか見たの何年前だろう?20年は経つよね。

田辺:そうだよね。やっぱりちょっと衝撃的な?

野口:うん。で、まあ、そうやって見てて、こういう人達と死ぬまでに一回仕事してみたいなとかって思う訳じゃない。

田辺:うん、思いますよね。

野口:まあ、願えば叶うみたいなもんで。。

田辺:うん、叶うよね。

野口:そうそうそう。

田辺:俺もあれ見ましたけど、凄い良かった。

野口:なんか、やっぱりどんどん写真家って、今度はじゃあこの人と仕事してみたいとかっていう風に徐々にもっともっとってなるよね。ペンが生きてたら物撮りとかやってもらいたかったな~みたいな!笑

田辺:そうだね~それは贅沢!笑

野口:そうそう!笑 で、じゃあそうやって写真買ったりするとギャラリーの人が紹介してくれて繋げてくれて撮影出来るようになったりとかっていうこともあるし。

田辺:それがキッカケで広がったりするっていうことだね。

野口:そう。

田辺:じゃあ、パリフォトで買った無名なフォトグラファーももしかしたらね? 将来的に繋がるかもしれない。

野口:そうそう。

田辺:じゃあ、仕事と関係性はあるって言ったらある。

野口:そうだね、だからテリーとかもそうだし。

田辺:あ~テリー・リチャードソン! ラリー・クラークさんはどうだったですか?実際に仕事してみて?

野口:いや~大変でしたよ。笑

田辺:大変だった!?

野口:大変ですよ!笑 先生ですから。。やっぱ、商業カメラマンじゃないしね。

田辺:うんうん。

野口:作家でしょ、ある意味。やっぱ好きにさせなきゃいけないっていうか。。

田辺:あんまりあーだこーだいうと。。

野口:ただ、こういうこととこういうものは欲しいってもちろん言うけど。それだけちゃんと伝えておけば、やってくれる、みたいな。

田辺:なるほど!

野口:まあ、日々勉強ですよ!笑

田辺:あ~あはは!笑 でも、そういう人と仕事すると色々と感じる?

野口:感じるでしょ、それぞれ皆違うしね。

田辺:テリー・リチャードソンはまた違う?

野口:テリー・リチャードソンはまた違う。

田辺:なるほどね。

野口:そう。

田辺:写真を実際に写真集じゃなくオリジナルを買ってみて、その~魅力っていうか、結構白黒が多い?カラーも買いますか?

野口:カラーも買ったりはする。買うけど、ああいうペンの昔のやつとかニュートンの昔のとか。。

田辺:何が魅力?

野口:ん?

田辺:写真の魅力っていうか。。

野口:なんだろうな。。酒飲めるよね、これだけで!こう、眺めながら!笑

田辺:なるほどね!笑

野口:そうそう、もう、マスターベーションですね!笑

田辺:ははは!

野口:そう!笑

田辺:でもね~男の時間。。。

野口:独りよがりですから、ただの。笑

田辺:でも、ペンなんか本当に凄い!このなんていうかな、いろんな見え方が出来ちゃう、深いですよね!こんな写真撮れるんだっていう。やっぱり眺めちゃうねこれだけ。酒飲みながら。。

野口:デジタルとはやっぱ違うからね。

田辺:そうだね~。やっぱりじゃあプリントにこだわる?

野口:うん、基本は。

田辺:基本は?

野口:うん、でも、まあ、ファッションに関しては別にデジタルでも良いんじゃないかな。

田辺:でもスティールライフとかはやっぱりプリントの方がきれいですよね。 風景とかは?

野口:風景はね~あ!あるよ、道。ハリー・キャラハン。

田辺:はいはい、ハリー・キャラハン!

野口:道だけ撮ってるんだけど。。

田辺:お~それもサイン本だ!

野口:どこだっけ、あ、これ。

田辺:あ~いいね~

野口:難しいのよ、初版じゃないと!とかさ、色々あるじゃない。

田辺:あ~なるほどね。

野口:ほら、これとか。

田辺:あ~かっこいいっすね~

野口:これとかは買ったりしてる。

田辺:あ~買ったりしてる! 結構じゃあ、もう古いものから新しいものまで。。

野口:デジタルとか高いのが分かんないんだよね、どうなの?って。まあ、時代だからね。。

田辺:でも、試されてないから分かんないっちゃ分かんない、100年もつのかどうかとか?

野口:データあるしさ。。

田辺:うん、データあるし。。

野口:こういうのも欲しいんだよね。。

田辺:いいっすね~~

野口:これプリント、本当に超きれいだと思うよ!

田辺:きれいだろうね、きっと。。 まあ、写真集はやっぱり印刷物なので、やっぱ本物の存在感っていうのは本物しか持ってないものなんですよね、きっと。。

野口:そうだね~

田辺:じゃあ、プリントっていうか、写真の存在感みたいのが好きなのかもしれないね。。本物のもつ。。

野口:うん。まあ、やっぱ次はプリントってなんじゃない?

田辺:なりますよね~ でも、本ももう凄い数だもんね~

野口:これもあるし、家にもあるんだよね~だからこっちに全部移したいんだけど、そしたらまた棚増やさなきゃいけない。。

田辺:床抜けんじゃないかっていう、ここはコンクリートだから大丈夫か。。

野口:ここはまあ大丈夫。

田辺:あの~写真はどこで一番買いますか?海外?

野口:ニューヨークか、パリか、ロンドン。

田辺:じゃあ、それは仕事で行ったときとか?

野口:そうそう。

田辺:買ったりとか。。

野口:で、行く頃になるとギャラリーから営業メールが来るから。。恐ろしいんだよ!

田辺:分かる!でも、それ凄いですよね、ギャラリーの。。

野口:凄いのは、分割でも良いとかって言うからね!笑

田辺:ははは!

野口:そう!おまえそんなに欲しいなら分割でも良いからどうだって!笑

田辺:いや、でもそれが商売ですからね。特に海外のギャラリーは凄いですよね、一回買ったらね。。

野口:だってさ、ものだけ先に送って来てさ、金は後からで良いからとか。。笑

田辺:ははは

野口:本当にいいの?それで?みたいな。笑

田辺:なるほど。うん。分かりました、ではこんな感じで、今日はありがとうございました!

野口:いえ、どうも!

野口強(のぐちつよし)
野口強(のぐちつよし)

スタイリスト。 国内外のファッション誌や広告を中心に幅広く活動している。