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蔡 俊行(第二回)今まで手がけて来たWEBメディアのフイナムや今年刊行した雑誌のアンプラグドの話など。
my art collection 第2回 / 全3回 / 2015.11.27

蔡 俊行(第二回)今まで手がけて来たWEBメディアのフイナムや今年刊行した雑誌のアンプラグドの話など。

ONE SIZE GALLERYディレクター,田辺良太が友人の「アートコレクション拝見!」をしながら気楽に語り合うという連載コーナー「my art collection」。第9回目の友人はウェッブマガジンhouyhnhnmの発行人で最近HOUYHNHNM Unpluggedという雑誌も発売した蔡俊行さん。アートとファッションの話やファッション業界や若者の消費傾向、そしてコレクションしているピーター・ビアードの作品との出会いなど多岐に渡る話を聞きました。

フイナムの10年

田辺:そもそも、雑誌の仕事してる時に知り合って、で、WEBに時代は流れていって。
でも最近フイナムはアンプラグドっていう雑誌に立ち返って。
その辺のお話しを聞きたいんですけど。

蔡:あの、もう本当に何て言うんだろう、生き抜き?
生き抜く為にやってる仕事みたいな?
もう、サバイブする為にやってるような仕事だから、とにかくなにかこうしなくちゃいけないってことで、制作会社でね、編集プロダクションで、マガジンハウス出て、独立して、会社作って。
でまあ、最初にやった大きなお客さんがユニクロだったんだけど。
まあ年間の売り上げは凄い、もうそこの売り上げが殆どみたいな。

田辺:うんうん。

蔡:まあ、他の仕事もぽろぽろやってたんだけど、とにかく凄い。

田辺:ユニクロが出て来た時だね。

蔡:そう!凄い大きい金額。
97年かなんかで原宿のオープニング前か。

田辺:はいはい

蔡:だからそのフリースブームと原宿のオープンとWEBの立ち上げとか全部我々がお手伝いしたのね。
で、そこから急に代理店とかが来て、じゃあ我々はここで契約終わりですって急に言われて、もういきなり翌月から仕事ないっていうか。
まあ、仕事は色々あったんだけど、食っていける分はあったんだけど、凄いでかい金額ではない。

田辺:なんかやんなきゃと?

蔡:やっぱ受託仕事って限界あるなって、やっぱ自分達から何か発信してそこでビジネスやっていかないといけないなってことで、スタイリスト事務所もあったからスタイリストの子達と話しして、フリーペーパーみたいなことやろうかって話して。で、フリーペーパーやろうって話だったんだけど、置く場所と流通費考えるとちょっとハードルが高過ぎた。

田辺:なるほどね。

蔡:で、時はちょうどインターネットだったから、じゃあちょっとWEBでやってみるかって始めたのがフイナム。

田辺:なるほどね。もう何年?ですか。

蔡:去年で10年、今11年目に入ってるから。
アンプラグド始めたのは、フイナムがちょうど10年経ったから。
フイナムのビジネスも軌道に乗って来たから。
まあ、7年ちょっとくらい大変だったんだけど。

田辺:うんうん

蔡:8年目くらいから軌道に乗って来て、もう今はちゃんとビジネスで成り立ってる。で、10年、やっぱこういうのって飽きられるサイクルも早いし。
まあ、10年やってたらもう結構飽きてる人もいるかもしれないし、何か新しいことやらなきゃいけないなってことで、何かやろうってずっと考えてた。
そんな時にたまたま出版社の知り合いがいて、飲みの席で会ったか、なんかの用で会った時に話したらじゃあ雑誌出しましょうか?みたいな話になって、そこからはもうとんとんとんっと。

田辺:なるほど!でも予想よりも反応は良かったって?

蔡:お陰さまで5万刷ってほぼ完売を。。。

田辺:おぉ!今の時代に凄いですよね!
やっぱそのフイナムっていう読者がいたから。

蔡:読者がいたからね。

田辺:読者がいたからっていうのもあるけど、それでもやっぱり目新しい雑誌にまだ人がお金を払うっていうことは凄いですよね。

蔡:ただ、ビギナーズラックと言うか、1回目だからっていうのもあるかも知れないから、次は9月24日に出るからね、そこがどこまで受け入れられるかっていうのが本当に実力っていうか。

田辺:はいはい、なるほどね!

蔡:最初にね、あの本出して当然赤字で良いやってことでやったんだけどお陰さまで出広してくださるクライアントさんも多くて、まあ、なんとか黒字になって我々も出版社側も両方ハッピー。

田辺:じゃあもう、ウィンウィンで!

蔡:ウィンウィンで!
ウィンウィンまでいってない、ドロードローで!笑

田辺:でもね、やっぱりいい結果が出るって嬉しいですよね。

蔡:まあ、本当に嬉しかった。
でもまあ、引続き2号目の製作中なんだけどね、来月の。

ファッションのこれから

蔡俊行-2 今まで手がけて来たWEBメディアのフイナムや今年刊行した雑誌のアンプラグドの話など。

田辺:先ほどからの若者が都心へ来ないっていう話なんかを聞いて、ずっとファッションというものを通してメディアを作って、フイナムから今度アンプラグドも加わって、若者の動向っていうか、まあ、僕らの若い頃は物に凄く執着してたりとか、それはファションもそうだし、アートもまあ、今よりは興味あるみたいな。
今その、どういう所に行こうとしてるんですかね、ファストファッションもなんとなくちょっと終って。

蔡:う~ん、なんだろう?
正直ね、分かんないかな、まあ、息子とか見てるとやっぱファッション好きだし、で、物にも執着してるから、やっぱ、人によるかな。

田辺:うん、人によるのかもね。

蔡:うん、うちに入って来る若いスタッフ達も別にファッション大好きだし。
で、買いたいんだけど給料が安いから買えないっていうだけで、そういう辛さはあると思うんだけど、欲求はあるんだよね、だから熱の低い若者が物を買わないっていうのをあまり目の当たりにはしてない。

田辺:なるほどね!じゃあ、欲しい物への欲求はやっぱりあると。
なんかその中国が今凄いじゃないですか、今年、香港バーゼルに行って来たんですけど、なんかもう、国の後ろ盾もあるとは思うんだけど、活気があるっていうか、その、良くも悪くも。
ガンガン来てるみたいな、で、アートも凄く買ってて日本にも爆買いしに来てて、もしかしたら日本の時代はもう終ってアジアに移って西洋の社会もそちらに行ってしまってっていう大きな流れがあって、僕らは島国にいると分かんないけど、世界的には取り残されていってるのかなって。

蔡:いうーん、まあ、仕方ないよね。
もう取り残されてるのは事実だから。
だって、オートショーだっけ?自動車のショー、でかいやつ、2年に1回やるような、あれなんか日本は縮小で中国はでかいのやってるし。

田辺:うん、そうですよね。

蔡:だからそのバーゼルもそうだし、もうしょうがないよね、消費人口が向こうの方が圧倒的に大きい訳だから、マーケットがでかい訳だから。
そっちに必然的に、水が高い所から低い所に流れるように行っちゃう。
そりゃもう、だから日本はもう成熟社会だから、もの売れないし。

田辺:その割にはなんかね、国立競技場みたいな、未だにああいうバブルなことしてるしね。

蔡:そうね、やっぱその森さん、元首相だっけ?たった2500億っていう言葉が出るくらいだから、やっぱもう昭和の時代の発想なんだよね。
その、持続可能とかサステイナブルみたいな言葉は全く知らない。

田辺:知らないでしょうね、まあ、経済発展ね。

蔡:経済最優先で、ただ、そういう発想から、何て言うんだろう、ファストファションなんかがダメになりつつあるのもそういう意識の高まりもあるのかな?なんて思う。

田辺:なるほどね、なんか、ギャップが凄い業績が悪いとか、記事を読みました。
僕らの頃なんかだったらね、ギャップなんて向かうところ敵なしだったのに。
そういうファションの分布図も勢力図も大きく変わって来てますもんね。

蔡:変わってるね、アバクロももう全然ダメでしょ。

田辺:アバクロもダメみたいだね。

蔡:ユニクロはまあ、いいけど最近ちょっと売り上げ落ちたとか、まあ、大したことはないと思うけど。

蔡俊行さん第1回はこちら

蔡俊行さん第3回はこちら

蔡 俊行
蔡 俊行

1962年生まれ。雑誌「ポパイ」のフリー編集者を経て、94年にスタイリスト事務所兼編集プロダクションを設立。現在に至る。ファッションブランドのブランディングやマーケティングのお手伝いを生業とし、自社でweb雑誌「フイナム」 (www.houyhnhnm.jp)を発行中。